アモルフォ プレミアム

対談 浜田 統之氏×渡辺 弘明氏

浜田 統之氏

浜田 統之フレンチシェフ

軽井沢 ホテルブレストンコート 総料理長

1975年
鳥取県生まれ
2000年
FFCCフランス料理コンクール出場
2004年
ボキューズ・ドール国際料理コンクール(※1)日本大会で史上最年少優勝
2005年
ボキューズ・ドール国際料理コンクール世界大会出場
2007年
ボキューズ・ドール・アカデミー(※2)会員に選ばれる
2010年
ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・ジャポン3位入賞
2013年
ボキューズ・ドール国際料理コンクールフランス大会へ日本代表として出場

日本初の銅メダルを受賞。
特に魚料理は最高得点で、世界最高峰のフレンチシェフ達から称賛を浴びました。

(※1)ボキューズ・ドール国際料理コンクール

1987年にフランス料理界の巨匠、ポール・ボキューズの呼び掛けによりスタートしたフランス料理の世界No.1シェフを決めるコンクール。2年に1度、フランス・リヨンで開催される。
2005年度の日本大会では約100人のシェフが応募し日本一を争い、国際大会では全世界から24ヵ国の国内予選を勝ち抜いた代表選手が参加。国の代表として各国の名誉と威信をかけて行われる国家レベルのコンクールとして最も権威のあるこの大会はフランス料理のW杯とも称されるほど。
過去、この大会の優勝者に「きのこの魔術師といわれる」三つ星シェフ、レジス・マルコン氏やミッシェル・ロッツ氏などの名も連ねる。

(※2) ボキューズ・ドール・アカデミー

2007年6月にボキューズ・ドール国際料理コンクール日本大会の運営を行う日本ボキューズ・ドール委員会(会長:平松宏之氏)がボキューズ・ドール日本代表選手の援助・育成を行い、国際大会での優勝をサポートするために発足した組織。
2001年度以降のボキューズ・ドール国際料理コンクール日本大会優勝者4名のみが選ばれた名誉あるアカデミー。今後、日本代表としての高度な技術と知識、国際コンクールの経験を生かして2009年度の代表選手らの指導にあたる予定。フランス料理の将来を担う組織として期待されている。

ボキューズ・ドール国際料理コンクールアジア大会表彰式(本人左端)
ボキューズ・ドール国際料理コンクール
アジア大会表彰式(本人左端)

浜田シェフの作品
浜田シェフの作品

「アモルフォ・プレミアム」について対談する浜田統之氏と渡辺弘明氏 渡辺 私は工業デザイナー、浜田さんはフランス料理のシェフ。思えば随分と分野が違うのですが、何か強く惹かれるものがあって、今回この対談をお願いしました。ボキューズ・ドール日本代表の強化期間というご多忙中のところ、お時間をつくっていただき大変ありがとうございます。

浜田 いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。

渡辺 カセットこんろというと和食のイメージがありますが、それに対して、フレンチとカセットこんろというと、どういう結び付きがあるのでしょうか?

浜田 和食でもフレンチでも、火を使うことではイコールです。フレンチでも、ケータリングなどでお客さまの前で仕上げをしたり、フランベしたりすることがあります。そういう時にカセットこんろを使う場合があるんですが、普通のカセットこんろではお客さまの前に出すのはふさわしくないケースが多いです。でも、「アモルフォ プレミアム」のようにデザインされたものであれば、すごくいいと思います。

渡辺 器とかカトラリーをオリジナルでデザインして使っておられる。そんなこだわりをもつ浜田シェフの審美眼から見て、この「アモルフォ プレミアム」はどうですか?

浜田 かっこいいですよね。特にこのバーナーのところ。それと使ってみて分かったんですが、火力がすごく強いですよね。目的に対して十分な火力があります。それから、強火だけじゃなくて、この火を弱めたところの、このカチッて留まるところ。これって、「分かってるな!」と感じました。この火力を弱めたところというのは、料理人、調理をする人じゃないと分からないんですが、素材のうま味を一番引き出すポイントの火力なんです。野菜でも何でも、ですね。そこにストッパーが設けてあるところは、いや、「すごいな、分かってるな。」と思いましたね。あと、つけるときの音とか火の出る感じとかも、すごくいいですよね。

渡辺 いや恐れ入ります。

「アモルフォ・プレミアム」について対談する浜田統之氏と渡辺弘明氏 浜田 かっこいいだけじゃなくて、こういう性能も素晴しいですよ。

渡辺 この製品の開発や設計に携わった人たちに伝えますよ。きっと喜ぶと思います。

浜田 あとこの点火つまみが使いやすいですよね。つかみやすい、回しやすいですね。

渡辺 点火つまみは実は非常にこだわったところですね。つまみに指標を設けるのではなく、つまみの形そのものでどこを指しているのか分かり、且つ回しやすい、握って回すという動作が自然にできる形にしました。このような点を評価いただいて大変うれしいです。 ところで、料理というのは当然「味」が第一だと思いますが、見た目、視覚的な部分についてのこだわり、料理する上での“視覚”という点についてはどのようにお考えですか?

浜田 視覚というのは一番大事にしています。視覚と香りですね。目で判断するというのはけっこう大きい、鮮やかさとか美味しそうに見えるということ、焼き色もそうですし、それと美味しそうな香りというのはとても大切にしています。

渡辺 なるほど。

浜田 最近は、「いかに食材を良くするか、生かすか」ということばかり考えています。昔は、料理があって、それに食材を合わせるように考えていたのですが、今は逆ですね。われわれは地元長野の食材しか使わず、毎年、同じ季節に同じように収穫される素材で料理を作っていきます。その中で、より良くより新しいものを創っていくわけです。「もっと自然を観察しなさい。自然の中に答えがある。」という言葉があって、その言葉が最近は特に心に染みています。例えば、僕が魚だったら、どのように表現してほしいと思うか・・・。例えば、豚肉であれば、ロースとかヒレとか部位で買って使うケースが多いと思いますが、僕は1頭買いするんです。すべての部位がいろんなカタチで皿に盛られる。僕が豚だったら、どのように表現してほしいと思うか。ロースだけで評価されたくない、ってね。最近はそういうことばかり考えています。

渡辺 初めて聞きました。地元長野の食材しか使わないんですね・・・。

浜田 地元の食材しか使わない。素材作りから生産者の方と一緒に育てていまして、僕だけのために生産をしてくださっている方もいます。「昨年はこういう作り方だったけど、今年はこういうふうに作って美味しくしましょう。」とか、「こういう飼料を使ってみましょう。」といったふうにして、食材自体も進化させています。器も進化させています。僕の技術も進化すると思いますし、間違いなく後に下がることはありません。

渡辺 「アモルフォ・プレミアム」について対談する浜田統之氏と渡辺弘明氏 失礼ですが、今おいくつですか?

浜田 37歳です。

渡辺 お若くして、それだけの境地に立たれるのはすごいですね。

浜田 いえいえ、まだまだです。

渡辺 素材といえば、この「アモルフォ プレミアム」をデザインする際の素材が、ステンレスという金属だったんですね。ステンレスという素材そのものがこの製品の大きな特徴なんですが、でもすごく加工の難しい素材で、苦労も多かったんです。でも技術者の方や多くの方の協力も頂き、ステンレスという素材の良さを生かすことができたのではないかと思います。形というものは自然なところに落ち着いていく部分があって、自然を生かす、自然のままに、というのは共通点があるように思えますね。

浜田 料理を作る際、昔は余計なものをいろいろと付けていたように思いますが、今は余計なものはいらない。ホンモノの部分だけがきちっとあれば、それで十分じゃないかと思うんです。

渡辺 それは私のデザインのポリシーでも同じことが言えます。デザインは装飾ではないので、必要以外の要素は外していくと最終的に本質的なものが残ると思います。何が必要で何が必要ではないのか、見極めていくところは、似たものがあると思います。
ところでフランス料理の世界にいらっしゃって、世界大会にも出場されるなかで、日本らしさというのは意識されますか。

浜田 「アモルフォ・プレミアム」について対談する浜田統之氏と渡辺弘明氏 自分にしかできないものを表現したいと思っています。それを料理で表現したいと思います。フランスの跡を追い掛けても勝てない。フランスの物まねをするためにいるのではない。以前、フランス人に「日本のフランス料理はどうか?」と聞いたんですが、「知らない」という答えなんですね。これだけミシュランの星がどうだなどと日本では言われているのに、フランス人は日本をそんなに知らないんだと思いました。だから、日本でしかできないフランス料理があっていいんじゃないかと思っています。

渡辺 日本らしさとは?

浜田 技法もそうですし、調味料もです。味噌もしょうゆも使います。でも今ではパリのフランス料理店、三ツ星クラスでも味噌やしょうゆも使っています。でも、それはすごいフランス料理なんですよ。もはやどこの国の料理だということに縛られる時代ではないと思います。そういう意味でフランス人が勉強に来るようなレストランになればいいなと思っています。

渡辺 ボーダーというか垣根がなくなってきているということですね。

浜田 そうですね、そういう時代ではなくなってきていると思います。いいものはいい。本質をどこで見極めるのかそこが一番大事であり一番難しい。僕にとっては、“残っていく料理”というのが本物だと思うんです。

渡辺 「アモルフォ・プレミアム」について対談する浜田統之氏と渡辺弘明氏 プライベートではカセットこんろはお使いになりますか?

浜田 使いますよ。鍋をしたり、よく使います。特に長野は寒いので冬は週3日くらい鍋をしたりしますよ。

渡辺 フレンチの浜田シェフが作る鍋というのはどのような鍋ですか?

浜田 僕が作る鍋というのは素材と塩だけ、というのがいいですね。うま味は食材の組み合せの中で出して、味付けとしては塩だけです。

渡辺 いや、なるほど。きのことか、確かに素材だけで味が違いますよね。う~ん、食べてみたいなあ。
今日は、お皿の裏に隠された浜田シェフの多くの思いやこだわりをお伺いできて、また次に訪問させていただく楽しみが増えました。どうもありがとうございました。

(プロフィールおよび対談内容は、記事執筆時点のものです。)

ページの先頭へ