アモルフォ プレミアム

対談 黒川 雅之氏×渡辺 弘明氏

黒川 雅之氏

黒川 雅之

建築家、プロダクトデザイナー、日本大学大学院教授、金沢美術工芸大学教授

1937年
愛知県生まれ
1967年
早稲田大学大学院理工学研究科
建築工学博士課程終了

(株)黒川雅之建築設計事務所・主宰、(株)デザイントープ・主宰

【代表作品】
 
プロダクトデザイン:
「GOM(ジーオーエム)シリーズ」
(ニューヨーク近代美術館・永久コレクション収蔵)
GOM(ジーオーエム)シリーズ (ニューヨーク近代美術館・永久コレクション収蔵)
「インゴット・バッタ」
「ラバト」
「ドマーニ」
その他多数
建築物:
「銀座くのやビル」
「パロマプラザビル」
「袖ヶ浦市・未来を見つめる展望台」
その他多数

「アモルフォ・プレミアム」について対談する黒川雅之氏と渡辺弘明氏 渡辺 モデルチェンジした「アモルフォ プレミアム」を使い始めてみて、黒川先生の感想はいかがでしょうか?

黒川 今まで旧型アモルフォを使っていましたから、その違いをすごく感じます。
まず全体の、見た目、見え方、カタチの完璧さ、これはすばらしいですね。
ディテールがまたいいですよ。細かなところの処理が実にシンプルで、かつきれいにできている。天板が正方形でどちら方向からでもすぐにはめることができる。こういうところもやさしいですね。点火ツマミもすごく良くなりました。カチッとして操作の安心感があります。
それにやっぱり、この、バーナーがいいですねえ。仕上げが実にいい。技術の方の仕事ぶりの良さがうかがえます。そしてバーナーからの炎の出方。ほら、こんなに美しい炎の出方。炎が美しいんですよ。鍋を乗せるのがもったいない。このまま見ていた方が良いくらいです(笑)。

渡辺 恐れ入ります。私としては、炎がステンレスのボディに映りこんだところの美しさを表現したいな、というのもデザインの狙いの一つでしたので、そのようにおっしゃっていただけるのは大変光栄です。
実は製品化の過程では、ずいぶんと技術陣の方とぶつかりまして、こんなことできないということも多々ありましたが、お互いに切磋琢磨する中でここまでの製品に結実しました。あらためて技術陣の方には感謝したいですね。

黒川 改めてこうして見てみると、技術とデザインが、両方からいいところを出し合って結晶したものだという感じがしますね。「燃焼というハードウェアを作る技術」と「美しいカタチ、使いやすいカタチにまとめ上げるデザイン」、この2つがいい関係、仲のいいファミリーのように調和してここまでできている。これだけの製品は、そうはないですよ。

渡辺 「アモルフォ プレミアム」を使うことが、料理や食卓の演出に果たす役割というのは、いかがでしょうか。

「アモルフォ・プレミアム」について対談する黒川雅之氏と渡辺弘明氏 黒川 料理というのは、昔は「家事」でしたね。「家事」というのは労働です。しかし最近はこれが「エンターテイメント」になってきています。料理することを楽しむわけです。それにつれて台所の器具は「家具化」してきています。居心地を良くするモノへと変化してきている訳ですね。
一方「料理」という行為と「食べる」という行為が近接化してきています。台所に夫も入るようになる。すると狭い。また来客時などキッチンを孤立化させたくない。それがオープンキッチン化の流れとなり、家族の生活空間にキッチンがどんどん進出してきているわけです。
この2つの変化が融合して、「アモルフォ プレミアム」の成立する環境が今あると思いますね。

渡辺 なるほど。ある意味で歴史の必然から生まれてきたともいえるわけですね。

黒川 料理は楽しいですよ。クリエイティブです。味覚・視覚・嗅覚・食感…、感性のすべてがかかわります。ボクも料理は大好きですね。朝食も作りますし、土曜日のランチもよく作ります。
“鍋奉行”なんてコトバがありますが、料理しながら、食べながら、いっしょに楽しむ。クッキング・イーティングですね。
そこで、当たり前のようにポータブルキッチンが登場する。いいじゃないですか。食には多様なバリエーションがありますから、面白い楽しみ方がいろいろとできるんじゃないでしょうか。

渡辺 人の心を豊かにしてくれるものが料理や食卓にはあります。

黒川 やはりね、「炎」なんですよ。電気もいいけどやっぱり「炎」です。
「炎」には食の醍醐味が詰まっている。例えば焼肉ならば、ジューっという音、焦げるにおい、熱い、…ね。
人間の心の中にある感動というのは原始の心であり野生なんです。「炎」はそこを刺激する。「炎」というのは、生き生きとした人の営みを象徴するものなんです。

渡辺 炎にはドキドキ感がありますよね。ところで、この「アモルフォ プレミアム」に合わせる食器や器具というとどのようなものでしょうか?

「アモルフォ・プレミアム」と土鍋 黒川 完成度が高いですからね、いいものなら何でも合います。素朴でごつごつとした土鍋でも合いますよ。例えば、鉄瓶なども面白いんじゃないですか。私がデザインしたものに1個16万円。100個限定で山形の職人さんに作っていただいたものがあります。普通の鉄瓶の10倍の値段ですが、すぐに完売しました。ここにあるのは1個10万円の鉄瓶ですが、「アモルフォ プレミアム」に乗せてみる、・・・いいじゃないですか。

渡辺 イワタニさんは、今回「アモルフォ プレミアム」を22,000円(税別)で発売しました。普通のカセットこんろの5~10倍の値段ですけど、でもこういう、品質と機能とデザインの至高を求めてモノを作って、世に出すメーカーさんがある、ということは誇るべきことだと思いますね。

「アモルフォ・プレミアム」について対談する黒川雅之氏と渡辺弘明氏 黒川 その通り。・・・ただ、まだ勇気が足りない(笑)。
ここまではカセットこんろ屋さんが、カセットこんろという機能を徹底追及して、実にここまでのモノを作り上げた。それはスゴイ!ことです。
次は、こんろ屋さんから飛び出して生活サイドに立って、全く新しいモノを産み出していって欲しいですね。食にはさまざまな要素があります。また変化し成長していきます。最高のクオリティー、10万円でもいいじゃないですか。勇気と安全を両立させて、クリエイティブな技術屋さんとして、次の新商品を・・・。期待していますよ。

渡辺 黒川先生のお話には、想像力を刺激する言葉がたくさんあり、いつも感銘を受けます。今日もいろいろと響くものがありました。お忙しい中、どうもありがとうございました。

(プロフィールおよび対談内容は、記事執筆時点のものです。)

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